『007シリーズ』のMおばさんが
偏った妄想で静かに突っ走る
味わい深いオールド・ミスを好演すれば..
『バベル』のケイト・ブランシェットは
15歳の教え子との不倫にハマる中年女を
顔をひきつらせながら演じきる

殺人事件もなし
アクションもなし
そんでもっても
こんなにゾクゾクする
サスペンス?映画
なかなか ないかもネ〜 って

ジュディ・デンチと
ケイト・ブランシェット
二大女優の好演・妖演・怪演により
観てはいけないような
孤独で偏執的、赤裸々な
女の心の闇、心のひずみを
見事に表現している1本

『あるスキャンダルの覚え書き』
(リチャード・エア監督
2006年/イギリス)
ジュディ・デンチ演じる
独身でベテラン女教師のバーバラ
バーバラが勤める中学校に
ケイト・ブランシェット演じる
美しい中年の美術教師シーバが
赴任してきて..
シーバに特別な感情を抱き
接近を図るバーバラ
バーバラは
自己本位で屈折した内なる感情の中で
シーバとの
女性同士の特別な友情を求め始めます
そしてある時
偶然にもバーバラは
シーバと15歳の教え子との
不倫現場を目撃してしまい...
本作
一見落ち着いた作品印象とは裏腹に
ジェットコースター的に話が進み
次の展開が観たくて仕方なくなりマス

基本的にはバーバラが語り手となり
ストーリーが展開していくのですが
(語ったままの内容が、
バーバラの日記として記録されているのですが)
その語りも
アイロニィ、
ブラックなユーモアに富んでいて
時には赤裸々な告白もあったりして
いやはや、
このおばさんの深層心理の病的さは
かなりの恐さデス

しかしジュディ・デンチの
演技というか表情が実にウマイ、味がある〜
『007慰めの報酬』のM役も
存在感あって最高ですけどね

『007慰めの報酬』の記事
そしてシーバ役のケイト・ブランシェットも
今回、衝撃的な演技
貞淑を貫いてきた
清楚でおとなしめの中年女性が
15歳の教え子に翻弄され
しかし、別れたくても別れられない
女の本音がせつない

ケイト・ブランシェット
『バベル』『ロード・オブ・ザ・リング・シリーズ』など大作に多数出演してますが
内容が内容なだけになおさらですが
本作ほど
彼女の見た目とのギャップ・意外性
淫靡な雰囲気を全開にしてる作品はないのでは?
そして演技もデンチに負けず劣らずいいです
顔の表情の変化なんかも実に巧み、
口元の不安感による震えの表現なんか絶妙デス
ちなみに
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
にも出演してましたね〜
ソ連軍の気丈な女大佐役での滑舌抜群のなまり英語が
かなりお気に入りなんですが...
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の記事
ということで
いつも紹介している作品群とは
チト違う毛色ですが
本作も
かなりフェイバリッドで刺激的な珠玉の1本デス
